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メソッド演技とは
「形」 つまりせりふを抑揚で意味づけしたり、外見の動きで演技を説明したりせず、
内面的な心を大切にする演技技法です。
簡単に言いますと、友人に「おはよう」と貴方が言うとき、友人が楽しそうにニコニコしていた時の「おはよう」と、暗い顔をしていた時では、本能的に「おはよう」のニュアンスが変わりまね。
もし、あなたが、その友人と前日喧嘩をして、しかも今目の前にいる友人が、ニコニコしていたら、これまた複雑な「おはよう」になりますね。
演技をする時、そのシーンのことは考えず、結果を考えず、そのシーンの前に何があったかを、つまり前提状況を創れば、シーンの結果はおのずと生まれてくるのです。
メソッド演技はロシアの俳優・演出家であったコンスタンチン・スタニスラフスキー(1863-1938)が真実の演技を求めて研究し、発展させた演技技法です。
1923年、スタニスラフスキーひきいるモスクワ芸術座がニューヨークに訪れて以来、アメリカの演劇史が変わりました。
アメリカの高名な演技指導者、リー・ストラスバークサンフォード・マイズナー、エリア・カザン、ステラ・アドラー、ハロルド・クラーマン、ポール・モリソンなどがこのスタニスラフスキーメソッドの影響を受け、マーロン・ブランド、ジェームス・ディーン、ダスティン・ホフマン、ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ハーベイ・カイテル、ブラッド・ピットなど多くの俳優が学びました。
メソッド演技がリアルである秘密は、演技が内面の衝動から生まれ出ることにあり、人生の経験を本能的に使うテクニックにありますが、難解に捉え、試行錯誤に陥る方々も数多くいます。
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